外壁/屋根塗装の塗り替えリフォームを業者に依頼する前に、依頼主側でも最低限の基礎知識は身に着けておきたいよね。
ここでは、知っていると役に立つ外壁/屋根塗装の基礎知識を紹介するよ。
【種類別】外壁/屋根塗装の塗り替え時期
外壁/屋根塗装の塗り替え時期は、素材の種類によっても異なる。
外壁/屋根には以下の素材があるので、自宅がどれに該当するか把握しておこう。
- 金属系サイディングボード
- 窯業系サイディングボード
- モルタル
- ALC
- コンクリート壁
- トタン貼り
- 羽目板
- スレート系
- セメント系
- 粘土系(瓦)
- 金属系(トタン)
外壁/屋根塗装の塗り替え時期について、それぞれ説明するよ。
【外壁】種類別の塗り替え時期
金属サイディングボード
10~15年
金属サイディングボードとは、スチールやアルミ等から構成されるの金属鋼板のこと。
意匠性や耐久性にメリットがある表面材(金属板)と、断熱性・耐火性に優れた裏打材で構成される。
軽量で耐久性に優れるが、美観維持やカビを防ぐために10~15年で再塗装する必要がある。
表面を傷めてしまったときは、すぐに処置が必要になる。
窯業系サイディングボード
7~8年
窯業系サイディングボードは、セメント系と繊維系の混合原料を主体とする板状の素材。
タイル目、レンガ調など、豊富なデザインがあり、近年、使用頻度が高まっている。
吸水性があり、防水機能は塗膜に依存しているため、表面の劣化を放置すると建物本体にも悪影響を与えることがある。
モルタル
8~10年
モルタルとは、セメント・石灰・砂などを混合して水で練った素材。
施工が容易でコストが安いため、新築時によく使用される。
強度が強く耐火性も高いが、防水性能が低くなると急速に劣化し、ひび割れが発生しやすくなる。
ALC
8~10年
ALCとは、コンクリートを軽量気泡化した外壁材で、マンションなどの共同住宅に多く採用されている。
断熱性・耐火性・耐久性に優れるが、一度塗装が劣化すると、内部からボロボロになる。
放置していると、下地補修からの復旧作業を要するため、早めの再塗装が必要。
コンクリート壁
10~15年
コンクリート壁は、水・セメント・砂・砂利を混合したものであり、外壁素材の中で最も強度が高いと言われる。
しかし、経年劣化で防水効果が弱まってくると、水が内部にしみこみ、専門的な補修が必要となってくることがある。
トタン貼り
10~15年
トタン貼りは築30年以上前の建物に広く採用されており、「プリント」と言われる木目調の塗装をされたものが多い。
金属製のため防水・耐久性に優れるが、現在は使用されることが滅多にない。
羽目板
5~6年
羽目板とは文字通り木の板をはめたもの。
木材は乾燥して収縮するとひび割れが生じることがある。
板の重ね部分が不十分だと継ぎ目から雨水が入り込むことがあり、外壁の変化をよく点検する必要がある。
【屋根】種類別のリフォーム時期
屋根のリフォームは、外壁塗装と一緒にやったほうがお得。
塗り替え費用に占める足場代の割合は高いので、同時にやればこれを節約できるからだ。
屋根のリフォーム時期の目安を種類別に以下に示すよ。
スレート系(カラーベスト)
7~8年
スレート系(カラーベスト)は使用される頻度の高いポピュラーな屋根の一つで、石質の薄い板を使用。
劣化すると、表面が割れたり反り返ったりするするほか、屋根接合部下地の腐食や板金を固定している釘が浮き始める。
10年以上経過すると汚れや色あせが目立つようになり、見栄えも悪くなってくるので点検が必要となる。
セメント系
10~15年
セメント系瓦とは、セメントと川砂を1:2~1:3の割合で混合したモルタルを、型枠に入れて形成・塗装したもの。
紫外線や風などで経年劣化が進行すると、素材となるセメントの劣化も早くなる。
粘土系(瓦)
20~30年
粘土系の瓦は寿命が長く、色落ちがほとんどない。
ズレや浮きがあるときは、粘土瓦を固定している接合部の漆喰も崩れていることがある。
雑草が生えてくると、根っこから雨水が屋根に進入することもある。
金属系(トタン)
10~20年
トタンなど金属系の屋根は、耐久性とコスト面で優位性があり、古くから使用されている。
耐熱性や防火性に優れるが、古くなると錆が発生する。
放置すると腐食が進行するので、早めの対処が必要だ。
外壁/屋根塗装に使用する塗料のランクは高い方がお得
外壁/屋根の塗装を塗り替えリフォームする際に使用する塗料には、ランクがある。
よって、複数の業者の見積もり書を比較する際には、塗料のランクが異なれば単純に価格を比較することはできない。
高価な塗料は耐久年数が長く、逆に、安価なものは短くなっている。
塗料 | 耐久年数 |
---|---|
アクリル
|
5~7
|
ウレタン
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10~12
|
シリコン
|
10~15
|
フッ素
|
15~20
|
- 塗料はどれを選べばよいの?
- 長期スパンで比較すれば高い塗料の方がお得
外壁/屋根塗装工事の見積もり書を比較する際、耐久年数の高い塗料を使用した見積もり書については、当然、費用は高くなる。
しかし、耐久年数が高いので、長期スパンで比較すれば逆に安くなることが一般的。
30年間のランニングコストを比較してみよう。
- 耐久年数10年の塗料
- 耐久年数15年の塗料
工事費用100万円とすると30年で3回塗り替えるので合計300万円。
工事費用120万円とすると30年でも2回の塗り替えですむので合計240万円。
30年間のメンテナンス費用は60万円もの差がでる。
外壁/屋根のリフォーム・補修の流れ
ここでは、外壁/屋根のリフォーム・補修の流れを説明するよ。
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足場組立・養生
塗装作業用の足場を組んで、塗料や洗浄水の飛散防止ネットを張る
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高圧洗浄
塗装前に外壁/屋根に付着した汚れを洗い流す。
これが不十分だと、塗装がはがれやすくなる。
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下地補修
ひび割れたシーリングや剥がれた塗料の除去、錆止めの塗布などで下地を補修し、塗料の接着力を増強させる。
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下塗り
素材と塗料の接着性をよくする作業。
本塗装の発色も良くする。
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中塗り
下地を平滑にし、上塗り材を補強する役割がある。
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上塗り
中塗りと同じように再度塗ることにより、塗りムラをなくし、塗膜の厚みを増すことで耐久性を高める。
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付帯部分
外壁、屋根以外の雨どいや通気口破風などの付帯部分を塗装。
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養生解体・点検
点検して異常がなければ足場を解体して終了。
以上が外壁/屋根のリフォーム・補修の流れになる。
全工程の期間は約10日~2週間程度だ。